オートリーブで。シュバルの理想宮
次の日の朝から、わざわざここまできた本当の目的地へ。
シュバルの理想宮/Joseph Ferdinand Cheval
この農村地域の郵便配達人シュバルが、毎日徒歩で30km以上歩く途中に石を拾い
40年かけて自分の理想郷をつくりあげました。
コルビュジエ祭りの途中で、まったく建築の知識のない人が作った建築を感じるのは
面白いと思い、どうしても来たかったところ。
二人で貸切状態。
つまづきの石
配達の途中でこの石につまづき、あまりにも美しく拾って帰った。
次の日同じ道で、もっと美しい石を見つけた。
自然が石を彫るなら、私は石を積み上げる建築家だと、工事が始まったようです。
初めは狂った人だと周囲に指をさされ、今では世界中から観光客が来る街の砦。
生涯この街から一歩も出なかったシュバル。
時折、配達の中の絵はがきに見る外国に思いを馳せていたようです。
写真はホワイトハウスとアルジェの四角い家を模しています。
ちゃんと雨樋がつきでてたりします。
ちゃんと中に空間があって、中も凝ってます。
巻貝の殻で出来たシャンデリア、壁には無数の詩が刻まれています。
階段で2階テラスへも上がる道があり、洞窟を散策するようで楽しい。
仕事で30km歩くのに、さらに10km歩いて石を探し、夜中に積んでたみたい。
凄い情熱。ここまで突き詰めれる夢を見つけられたのは羨ましい。
上司の郵便局長にも行動を慎むよう言われていたのに、やめる事なく作り続け40年。
農民階級の中にも活力あふれる天才が存在する事を証明したい。と。。。
40年後完成した頃には世論は一変。
フランスのマスコミに大きく取り上げられ、一躍有名になりました。
自分の信念を貫く姿勢と、忍耐力を感じます。
建築の様式はさまざま。いろんな様式をごちゃまぜにしている感じ。
自由で楽しい。
建築家というか、芸術家です。
この地域の住宅は、近く川の石を外壁に使っています。
庭の塀も川の石をつんだもの。こういう組積造の背景があったからシュバルも石から
建築を想像したんだと思います。日本人にはなかなか結びつかない。
帰りはまた、大変でした。
バスでサンバリエ駅へ戻ったものの、乗るはずだった電車が来ず、バスが代行で
やってきました。
その先で乗り換えるはずだった電車もまた来ず、バスへ。
結局TGV(フランス新幹線)の駅までバスを3つ乗り換えて行く事に。
ものすごく辺鄙な場所でした。
行くなら時間に余裕を持って、Le Relaisに泊まって、美味しいフレンチを食べて
のんびり滞在する事をオススメします◎
あとフランス語も必須でしたね〜。