may's diary

猫と上海とデザインの日記

思い立ったら吉日。宁波へ

前日の夜9時頃、週間天気予報を見たら、火曜日だけ晴れ。

ふと寧波に行こっかなと思いつき即チケット予約。

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朝5時半に起きて、出発。いつも見慣れた風景も、太陽の光の方向が違うから新鮮。

高鉄(新幹線)で2時間弱。

みるみるうちに天気が悪くなっていきます。

忘れてた。。。

寧波の天気調べてなかった(゚д゚lll)

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今回一番楽しみにしていた寧波美術館。

旦那さんは4年ぶり、私はお初ですが、4年前は建設中でした。

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プリツカー賞受賞した王澍の設計です。これぞ王澍。

二人してテンション上がります。

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各地の建築解体現場から、廃材を調達し、出稼ぎ工人の手によって積み上げられた

ランダムな模様がたまりません。

無秩序に見えて、30cm毎に横ラインが引かれていて、図面の読めない工人達にも

開口部の位置やボリュームの大きさが、作りながら解る仕組みになっています。

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世界中の建築家が、最新のデザイン・技術・材料を屈指して、

中国でどうやったら施工技術を上げられるか、

どうやったら現場がスムーズにいくかと四苦八苦している中、

全く違ったプロセスで答えを出したのが王澍。

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レンガは明代、清代のもの。

コンクリートは竹で型枠をとっています。

荒々しく、Pコンがそのまま残ってるとこも沢山。

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ディテールは完全放棄していて、内部空間は見れたもんじゃないのが正直なところ。

博物館としての動線も、建築としてのボリュームとやりたかった空間に引きずられ

ていて、決していいとは思えなかった。

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それでも魅力を感じるのは、きっと工人の手のあとが感じられるから。

安藤忠雄がコンクリートに拘るのは、最後は土に帰る建築を目指しているから、

仕上げ材を付け足したくないとどこかで言っていたけれど

この建築はもうすでに地球と同化しているように感じました。

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レンガの隙間から植物が自生していて、この字型のレンガの孔には小鳥の巣が

できていました。

あちこちから鳥の鳴き声が聞こえてきて、植物・生物にとっての住処と化してる。

王澍は今、中国で最も重量で、必要な建築家だと再認識しました。

彼の設計する建築は、どんなに技術があっても日本では作れません。