may's diary

猫と上海とデザインの日記

フィルミ二で。サンピエール教会

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サンピエール教会/Le Corbusier

これまたリヨンから小一時間かけてわざわざ逢いにやってきました。

施工中に財政難に陥り、3階部分で工事が中断。コルビュジエの死後40年もたった

2006年に完成した教会です。

正直あまり期待はしていませんでした。

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2階の教会への扉を開けて、細い階段を上がった瞬間。目を疑う光景が。

天候や時間帯によっては見られないので、いきなりの光景に感動してしまいました。

こんな光は見た事ない。

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無数の光の穴は、オリオン座が表されています。

この面は東面。朝一で見に来てよかった。

線状の光は、丸くくり抜いた穴の断面に使用されている金属枠の反射だと推測。

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光のラインが、壁の曲線にそって流れていて、より空間が彫刻的に感じられます。

天井からは、ぼんやりと赤い光と黄色い光、西側の壁からは青い窓が。

この教会も時間と共にいろんな変化が楽しめそうです。

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筒状の穴は分厚い3層のアクリルでしょうか。

教会の下層部分はコルビュジエの展示がしてありますが、複雑な空間が面白いです。

生前の設計計画に関わったとされている人が実施設計をしたらしいですが

当時の設計からは高さが10m以上抑えられたり、窓のサイズも変更されてます。

また、筒状の穴の金属枠は当時の施工技術ではつくれないとの事。

やはり反射の光の線は偶然の産物なのでしょう。

これさえ想像しての設計だったと言って欲しい気もします。

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この地域の都市開発に参加していたので、街がコルビュジエだらけ。

スタジアムに文化会館、スイミングプール、ユニテ(集合住宅)

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この文化会館のみ、生前に完成しました。

コルビュジエらしさ満載。

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たとえ最後まで竣工するのを見届けていなくても、実施設計していなくとも、

ゼロから1を生み出す苦しみはわかります。

光が偶然の産物だったとしても、コルビュジエの作品には変わりない。

尊敬。